●オススメ度
●あらすじ
時は明示12年。とある遊郭の使用人・朱璃は、英国人と日本人とのハーフという理由で周囲から気味悪がられ、手酷い扱いを受けていました。
その日も朱璃はいつものように折檻を受けていましたが、偶然通りかかった東條巽によって救われ(買われ)ます。
巽はこの花町では有名な陰間茶屋「華菱」の主人で、美しい容貌の朱璃を“華菱の陰間(男娼)”として見初めたのです。
華菱の先輩陰間や絵師など様々な人物と接する中で、果たして朱璃は本当の幸せを見つけることができるのでしょうか……?
●全体
他のプレイヤーさんも感じておられるとおり、シナリオが少々……。ストーリー的に暗い印象が強いのは仕方ないことですが、情事中などの描写がちょっと長すぎる気がしました。
しかし、世界観や音楽、イラストは本当に素晴らしい!特にタカツキノボルさんの美麗すぎる絵にはノックアウトでした(笑)
セリフにあわせて口パクするのも丁寧な作りを思わせて良かったです。たまにズレたりしてますがリアリティーはあります。
和装と洋装(軍服もアリ)が上手く取り入れられているので、そういったコスチュームがお好きな方には文句なしにオススメです。それまでは和装だったのにラストで洋装になるキャラもいます。
●フルコンプについて
フルコンプには物凄く時間がかかります(汗)
バッドも含めた全EDを見ようとするなら、何度か初めからプレイする必要があるので根気と忍耐が必要です。攻略サイト見ながらでも辛かったです……。
そんな大変な目にあってでも見たかったコンプ後のおまけは『怪盗黒薔薇仮面』の噺(はなし)。あるキャラが名探偵になり、華麗なる推理を堪能することができる(?)ギャグストーリーです。
ぜひフルコンプして「あのキャラが、こんなことを口走るとは!!」という衝撃を味わってください。
このオマケでツボだったのは、朔弥と巽と征士郎の壊れ具合です。
フルコンプを諦めていたら、基本的に暗い雰囲気のゲームという印象しかなかったでしょうし、あのキャラの壊れ具合を知ることなく済ませていたと思います。あぁ、恐ろしや。
ただ、オチは読めました。黒薔薇仮面の正体もお宝が何なのかも勘のいい人ならすぐにわかると思います。
●声優さんについて
声優陣は豪華です。しかもフルボイス!偽名を使用されている方(万、プログレス、沖野、富士)もいますが、調べてみるとBL好きならご存知の方ばかりですよ。
演技も上手いですし、喘ぎ声もステキです(笑)。←征士郎は特にセクシーでした。
公式サイトで公開されている出演者全員分の収録後コメントも最高です。
成田さんの「萌え萌え」発言、森川さんの疲れ具合&「いっぱいイヂめました」「ばいなら」発言……どれをとっても素晴らしい(笑)プレイ前に一度聞いてみてはいかがでしょう?
朱璃(cv/緑川光)
★主人公。イギリス人と日本人のハーフ。両親とは死別し、花町で虐められつつ下働きしているところを巽に見出される。
かわいい!こりゃ巽さんがいぢめたくなるのもわかる気がする(笑)嗜虐心をそそるというか……。
だからでしょうか、下働き時代からいぢめられてしまうんですね。髪や目の色が違うから……とかなんとかで。可哀相です。
個人的には和泉のバッドEDで見られる、成長してお職に就いた朱璃が好きです。美し〜!!
ただペットのクロちゃんに振り回されているところが多くて、朱璃が自室にクロがいないのに気付いて心配するたびに「またかよ」と少々ゲンナリしてしまいました。
……ま、そういうところもいいんですけど(笑)。
あと、これは個人的な希望なんですが、バッドEDとかで朱璃がSっぽいシナリオがあっても面白いかなぁなんて思ったりしました。あんまり優しい子なので、ギャップがあってもいいかなと。もしSっぽくするなら、案外将人とかがいいかもしれない(笑)。
似たような感じでお職ED(すっかり陰間らしくなって客あしらいに手馴れている朱璃。和泉バッドEDのお職朱璃よりは幼め)がありましたが、ちょっと物足りないというか。媚びてるだけなんですよね、お職の朱璃は。
東條巽(cv/森川智之)
★陰間茶屋「華菱」の主人。冷酷で陰間を商品としてしか扱わない。将人の弟であるが仲は悪い(巽が一方的に嫌っている)。
ザ・キングオブ鬼畜!さすが真打ちの鬼畜だけあって初回プレイでは攻略できませんでした。その分、グッドEDではとことん甘くなりますけどね。
『学園ヘヴン』の中嶋さんとキャラがかぶってしまいましたが(森川声だし、メガネだし)、おそらく彼よりも鬼畜かと……。
(余談ですが『学園ヘヴン』の声優さんが多いですね、この作品。万さんもですし、富士さんも……)
初回プレイのときは巽さんの言動がいちいち腹立たしく、お前なぁ……ってカンジで。
まぁ、幼い頃から次男であるがゆえに父親に必要とされず、激しい折檻を受けても母や兄(将人)から見てみぬふりされちゃ捻くれるのも無理ないよな。
それにしても鞄からずいき(バ○ブ)出すなよ(汗)。さらには鬼畜らしく鞭や縄まで標準装備!さすが。
さらに言うと嫉妬に狂った姿もステキ。朱璃が自分と将人に二股をかけていると勘違いしたEDで、炎の中で朱璃の首を絞めるシーンがあるんですが、これはホントに凄かったです。いろんな意味で。
相馬和泉(cv/万栗太郎)
★華菱の仲間。朱璃のよき相談相手。早く年季を終えて両親の元に帰ることが夢である。たまに記憶が飛んでしまうことが悩み。
和泉君はバッドエンドが悲しいですね……。特に人格崩壊EDは切ない。泣きますよ、もう。
ぶっちゃけ二重人格者なので、ホワイト和泉とブラック和泉の両方が味わえるのは魅力でしたが、いかんせん権力も金もない人なので、彼とグッドEDを迎えようとすると、朱璃も和泉もきっちり働いて年季を終えなければならないんですよね。それが辛い。(あとのキャラはだいたい朱璃を身請けしてくれます)
それでも朱璃が一番自然体だなぁと感じるのは和泉君です。唯一敬語使ってないですしね。
余談ですが、声優・万さんの攻声(ブラック和泉)聴けたのがヨカッタです(笑)。しかし万さん、この偽名はどうなんですか…(汗)むしろ普段使ってらっしゃる名前の方がイメージ的に合ってる気が…
榎本朔弥(cv/プログレス)
★華菱のお職(一番の売れっ子)。朱璃にとても優しい先輩陰間。自身の借金は全て返済しているのになぜか華菱に留まっている。
受?攻??どっち???朱璃相手には一応攻ですが(受イベントもありましたが)、巽相手だと当然受。全体的に見てみるとリバと言ってもいいんでしょうか。
朔弥の過去にまつわる話は辛い。昔、龍彦という幼馴染の夢を叶えるために華菱に自分を売って以来、彼が身請けしに来てくれるのをひたすら待っているんですよ……。
そして、グッドEDの朔弥がカッコイイです。髪をすっぱり切って、洋装で朱璃の身請けに来ます。陰間姿も似合ってますけど「男らしくなったなぁ」なんて思ってみたり。
先輩陰間として抱かれ方を朱璃に教えるときは、なんだかお母さんみたいな印象を受けました。優しいんですよ。「大丈夫?」「無理しないで」とか声かけてくれるんですから。
バッドEDもいくつかありますが、うち一つは巽+朱璃に犯られるものです。つっても巽主導で、朱璃は手伝いみたいな感じですが。朔弥の気持ちを考えるとこのEDは辛いです。
二階堂将人(cv/檜山修之)
★巽の兄で軍人。巽が豹変し、家を出た理由を探るため、朱璃に協力を依頼する。
戦死EDは辛すぎるよ〜!!死の連絡を受けても将人を思い続ける朱璃も可哀相だし、そんな朱璃に思いを寄せている巽さんも可哀相です。形見のハーモニカで将人に教えてもらった曲を奏でる朱璃が痛ましくて、思わずホロリときました。
真面目で堅物という軍人らしい軍人で、ある意味、梶山よりもストイックなのかも知れないです。いいわ〜、こういうキャラ。
でもこれとは別のバッドEDは最低です!人としてどうよ?!って感じで。自分の職場に朱璃を強引に連れ帰って、同僚と共に輪姦するんですもん。そしてその後も飼い続けるという……信じられん。普段真面目だけにプッツンしたら怖いという典型的な例ですね。
このEDを将人ルートの最後に見た私は、今までのステキな将人さん像を壊されてしまい、しばし放心していました。酷いよ、将人さん。
ちなみにもう一つのバッドEDでは朱璃・巽・将人の3Pになってしまい、これはこれで怖いよなぁと思ったり。バッドED多いな〜…。しかもそのいずれも辛い終わり方だし。
五十嵐馨(cv/沖野靖宏)
★華菱の一角に建てられた庵に住まう春画家。朱璃の絵を描かせてほしいと頼み込む。少し強引な性格。
私に花町物語を買うきっかけを作って下さったお方です。かおるちゃんの何に魅力を感じたかと申しますと、朱璃とのプレイに耽るスチルです(笑)
アンタ、仕事道具で朱璃イジメんなよ。このとき「続けてほしい」か「やめてほしい」の選択肢を出すとはナイスです。迷わず「続けてほしい」にしましたよ!こちょこちょーってな。
(ちなみに馨を攻略したのは二、三番目。お楽しみは最後にと思いつつ、我慢できず攻略してしまうという……)
この人のバッドEDも悲惨です。まさに狂人です。朱璃が他の男に犯られているさまを喜んで絵に描くなんて……。オイオイ。
逆にグッドEDはステキですよ。彼の名誉のために言っておくと、基本的に明るい青年ですしね。
途中、彼の過去が明らかになります。どうやら元・兄弟子と師匠との間に確執があるようです。プレイの際は見捨てないであげてくださいね(笑)
梶山啓治(cv/富士爆発)
★華菱の見張り番。無口で腕の立つ男で、首に巻いた包帯は決して外さない。外見とは裏腹に心優しい人物である。
私が初めに攻略したのが彼でした。いいですね、ストイックなのって。こういう性格の人はかなりツボです。
朱璃に変わって巽の鞭を受け、傷を負った梶山を朱璃が介抱するシーンがよかったです。うぅ、おいたわしい……。
それにしても、朱璃との関わりがあんなに深かったとは思いもしませんでした。まさか、朱璃の○○をねぇ……(梶山のせいではないですが)。しかも包帯の下のアレが○○○の印だったとは……。波乱の人生送ってます。
梶山ルートはココで語るより実際にプレイしていただきたいと思うので、これ以上は語れません(汗)
余談ですが、梶山だけは名前で呼びにくいです。「啓治」というより「梶山」って方が雰囲気出てる気がします。
各務征士郎(cv/成田剣)
★将人と巽の叔父で貿易商。朱璃を可愛がる反面で、幸也という一人息子に対して負い目を持っている様子。
グッドEDはいいんですがバッドEDは……。朱璃がかわいそうっ!そして狂った演技がすごくリアルでした。
征士郎は息子の幸也(亡妻の連れ子)を“溺愛”していたらしいです。バッドENDでは征士郎が狂い、朱璃を幸也と思い込んで自分の屋敷に連れ帰り、○○して○○しちゃいます。
伏字にしたのは、未プレイの方の多くが征士郎おぢ様のことを嫌いになってしまうかもしれないので。バッドEDの彼はそれくらい酷いんですよ。ある意味で巽よりS(というか鬼畜)かもしれん(汗)
萌えどころは万華鏡やチョコレートを与えたり(餌付けともいう)、朱璃に文字を教えるところ。
特に文字を教えるシーンで、途中まで読んでいた難しそうな本を朱璃に与えて、続きはいつか君が読んで聞かせてくれなんてクサいセリフをさらっといえるところにキュンときました。さすが成田さん。
う〜ん、成田さんの切なげなセクシーボイスと狂った演技が頭から離れない〜(笑)。
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